06.02
アリエルはなぜ「赤毛」なの?アニメ版『リトル・マーメイド』の知られざる製作秘話、10のエピソード
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ディズニーの実写版『リトル・マーメイド』が6月9日、ついに日本で公開される。それに先駆け、アニメーション版『リトル・マーメイド(1989年)』が6月2日午後9時から金曜ロードショー(日本テレビ系)で放送される。
アニメーション版『リトル・マーメイド』の製作秘話や豆知識など、さらに作品を楽しむための10の「知られざる裏話」を紹介しよう。
1. 今や名作と呼ばれているが、『リトル・マーメイド』に対する公開前の期待値は低かった
公開数年前から状況は少しずつ好転していたものの、『リトル・マーメイド』はディズニーの低迷時代末期に制作されており、あまり期待されていなかった。
また、当時ディズニーの会長であったジェフリー・カッツェンバーグ氏は、この作品が「女の子向け映画」であることが成功の妨げになるのでは、との懸念を持っていたという。
実際は、アニメーション版『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』などのヒット作を世に出した1990年代の「ディズニー・ルネッサンス」期の皮切りとなった。
2. 映画の代表曲、『パート・オブ・ユア・ワールド』はカットされる予定だった
初期段階での観客からのフィードバックでは、若い観客はこのバラード曲を退屈に感じたようで、カッツェンバーグ会長はこの曲全体をカットするよう要請したという。しかし作詞家のハワード・アシュマン氏がディズニーに「私の目の黒いうちはそんなことはさせない」と述べ、辞職すると脅したと言われている。
結局、監督のロン・クレメンツ氏とジョン・マスカー氏が、MGMスタジオも『オズの魔法使い』から今では名曲の『虹の彼方に』を同様の理由で削除しようとしていたとカッツェンバーグ会長に伝え、カットを免れた。
3. 『パート・オブ・ユア・ワールド』に出てくる絵画は実在する
曲中に、絵画に描かれた火を触りながら、アリエルが「なぜ火は燃えるの、教えて」と歌うシーンがある。その絵画は画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥールによって1600年代に描かれた「Magdalene With The Smoking Flame」という作品だ。
4. アリエルが赤毛である理由
実は、スタジオの重役たちは金髪を望んでいた。でもアニメーターたちは、緑の尻尾とのコントラストの見え方や、アニメ化しやすいという理由で赤毛を望んでおり、論争があったそうだ。
結局、ディズニーがその数年前に公開し人気を博した映画『スプラッシュ』に登場するマーメイドと差別化するため、今みんなに愛される赤毛のアリエルに決決定したという。
5.作品中に描かれている泡は全て手描き。同じ泡は二つとない。
ディズニーは、『リトル・マーメイド』に登場する泡の数は約100万個だと推定する。当時人手が足りなかったため、対応するために泡は中国のアニメーションスタジオ、パシフィック・リム・プロダクションが担当したという。
次に映画を見るときは、人の手で一生懸命描かれた泡にも注目してほしい。
6. 魔女「アースラ」の触手のアニメーションは、最大の難関だった
それが理由で、最終的にアースラの触手は8本ではなく6本になったそう。
7. 蟹のセバスチャンはジャマイカ出身ではない
セバスチャンの声優を務めたサミュエル・E・ライト氏によると、収録時に使ったアクセントは、トリニダード島のアクセントだそう。
8. ちなみにサミュエル・E・ライト氏は、セバスチャン役として、2枚のレゲエアルバムをリリースしている
9. 『リトル・マーメイド』はディズニーを商業的に復活させただけでなく、長年ご無沙汰だったアカデミー賞も受賞した
同作品は第62回アカデミー賞で歌曲賞(アンダー・ザ・シー)と作曲賞を受賞し、1971年制作の『ベッドかざりとほうき』が視覚効果賞を受賞して以来、18年ぶりにアカデミー賞を受賞したディズニー映画となった。
10. この映画は2023年の実写版リメイク前にも、2つの続編、テレビ番組、ブロードウェイミュージカルになっている。
『リトル・マーメイド2:RETURN TO THE SEA』は2000年に公開され、その8年後には『リトル・マーメイド2:はじまりの物語』という前日譚も公開された。
また、テレビシリーズ『ハウス・オブ・マウス』やプレイステーション2ゲームの『キングダム・ハーツ』でもアリエルとその仲間たちを見ることができる。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。
Source: HuffPost