05.13
<北朝鮮内部>荒れる若者たち 義兄弟結び組織化 敵対グループ襲撃 職場離脱して金稼ぎ 当局は即決処罰で対応
◆グループで日雇い労働するのも「非社会主義」だと処罰
取締りの対象は喧嘩などの暴力行為だけにとどまらない。現金収入を得るための経済活動についても、当局は取り締まりの度を強めている。協力者は次のように説明する。
「今は誰もがほんとうに暮らしがしんどい。職場に出ても給料はほぼゼロ。わずかな配給だけでは暮らしていけない。現金を稼ぐために、若者たちは荷物運びや建設現場の日雇い仕事を確保して仲間内で融通し合うグループを作っている」
国が主導して進めるアパート建設では、トンチュと呼ばれる新興富裕層が、1棟につき数部屋を受け取る約束で投資するという。それを完成後に売って利益を出すわけだ。建設には労働力が必要だが、やはり専門的な技術を持った人が欠かせない。若者たちの中には、軍隊時代に「特閣」建設に動員された経験があるなど、建設やタイル張り、内装工事の技術のある者が少なくない。
「彼らは勤める国営企業から建設動員された形式を装って日雇いの賃仕事を請け負う。最近の日当は15中国元か内貨1万2000ウォン(いずれも約290円)ほどだそうだ。グループを作って仕事の規模が大きくなっている」
ところが、これも社会主義の秩序からの逸脱行為とみなされ処罰された。北朝鮮では勤めを持つ者は、職場で「組織生活」をするのが鉄則だ。思想教育や、労働党の方針の伝達、「生活総話」と呼ばれる反省会への参加、労働動員など、政権による住民の管理統制は、職場を通じて行われる。
「若者たちがグループまで作っていたことが、『組織生活』から外れた非社会主義行為だと目をつけられたわけだ。若者の間では、暴力沙汰を起こしたわけでもなく、お金を稼ぐために集まっただけなのに、なぜ問題になるのかと不満が大きい」という。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。
Related Images:
[ギャラリーを表示: www.02.asiapress.org]
Source: アジアプレス・ネットワーク
2