05.05
末永香乃 独占インタビュー~がむしゃらに提案したタイでの活動
2023年2月3日に「ジャパンエキスポタイランド2023」でプレデビューを迎えた輝星★Cosμ’n.(STAR★COSMUNE)のメンバーとして活動する末永香乃さん。アイドル活動に加えて作詞作曲にも力を入れていると言います。そんな末永さんは、過去にタイに住んでいた経験があり、今もご家族がタイに住んでいるとのこと。
今回、タイランドハイパーリンクスは、輝星★Cosμ’n. としてタイでのライブ(4月23日)を終えた末永さんにインタビューを行い、タイとの繋がりや作詞作曲、今後の目標などについてお話を伺いました。
末永香乃
2001年4月27日生まれ
https://twitter.com/kano_suenaga
https://www.instagram.com/kano_suenaga/
輝星★Cosμ’n.
https://twitter.com/star_cosmune
日本、台北、上海、タイ出身のメンバーによるグループで、日本のアイドルプロダクションのトイプラに所属。煌めき☆アンフォレントと綺星★フィオレナードが解体されて再編成で誕生したStar★Shiμ’ne!!!(スターシャイミューン)の派生グループ。
中学2年生で初めてのタイ
――末永さんはタイ在住経験があるなどタイとの繋がりが多いとお聞きしています。タイとの繋がりを簡単に教えていただけますか?
末永香乃:はい。中学2年生の頃に、父の仕事の関係で突然タイに来ることになったんです。その時はバンコクの日本人学校に通っていましたね。父は当時は会社員だったんですけど、それから独立してタイに会社を建てて、今はタイに住んでいます。
――かなり前からタイとの繋がりがあったのですね。
末永香乃:そうなんですよ。今ちょうどおじいちゃんとおばあちゃんもタイに遊びに来ています。
スターバックスのジャパニーズスイートポテトが’おすすめ
――タイに詳しいということで、お気に入りのマイナーなタイ料理やスイーツはありますか?
末永香乃:えー、何だろう?私はメジャーなものも結構好きなんですけど、一番好きなのはクイッティアオですね。タイ風ラーメンって呼ばれているもので、あっさりしたスープが好きです。ラーメンって言うよりスープって言う感じ。
――確かに日本のラーメンとは違いますよね。
末永香乃:そう。ラーメンってカロリー高そうってイメージがあるけど、クイッティアオはそうじゃなくて、『スープ飲みたいな。』って気分の時に良いんです。さっぱりしているから、夏バテしていても飲みやすいです。
――スイーツはいかがですか?
末永香乃:私が常日頃食べているのはスタバのメニューなんですけど、ジャパニーズスイートポテトってご存じですか?日本には無いんですけど、日本にインスパイアされた商品なんです。これが『何で日本に無いんだ!!』っていうくらい美味しくて。もちもちした素材にスイートポテトが包まれて、ちっちゃいさつまいもみたいになっているんです。皮が紫色で、割ってみると中はスイートポテトのような黄色になっているので、さつまいもみたいで超可愛いです。
――試してみたくなります。
末永香乃:しかもめっちゃ美味しいの!日頃スタバで作業することが多いので、いつもスイートポテトあるかな?って楽しみにしています。
日本帰国後、アイドルの道へ
――どういったきっかけでアイドルの道に進んだのですか?
末永香乃:元々、父と母が音楽をずっと習わせてくれていたんです。幼稚園の頃からピアノをやっていて、ちょうどタイに来たタイミングでフルートを本格的にやるようになりました。幼いころから音楽をやっていたので絶対音感もあったんですけど、それに加えて音楽の勉強も月曜から日曜までやっていました。
――かなりハードにやっていたのですね。
末永香乃:そうなんです。特にタイに来た中2の頃って、進路について考える時期でもあるじゃないですか。そこで、『音大に進学したい。』っていう気持ちになったんです。タイに来ていらっしゃった音楽の先生もレベルの高い方々だったので。日本人学校が終わると塾に行って、フルートに行って、帰って、またピアノに行って、みたいな。そういう生活をしていました。中2の頃が一番頑張っていた気がします。
――努力が伝わってきます。
末永香乃:タイに来てから頑張れたんですよ。日本人学校は副教科の中にタイ語が含まれているので成績表の中にタイ語の欄があるんですけど、タイ語のテストは100点以外取ったことがないです。日本で進学するときに『環境が変わってもこれだけ頑張りましたよ。』っていうことを証明して見せたいって言う気持ちで頑張りました。他の教科も90点以下はほとんど取ったことがないですね。
――それは素晴らしいです。
末永香乃:周りの子たちもすごく頭が良い子ばかりだったので、『追いつかなきゃ!』っていう感じでした。日本人学校は私が日本で中1の頃やっていた範囲よりも大幅に先に進んでいたので、タイに着いてから春休みの間塾に通い詰めて頑張りました。
――勉強も音楽も両立されていたのですね。
末永香乃:結局、高校1年生になってからすぐにアイドルの道に進みました。私が目指していた音楽大学は1日8時間楽器の練習に向き合わないといけなかったので、そこでちょっと無理だなと思って。でも、アイドルの音楽だけじゃない歌とかパフォーマンスとか総合的な芸術の形に魅力を感じたんです。私はももクロさんがすごく好きなんですけど、『こういう風に成長していくジャパニーズアイドルがいるんだ。』ってことを知った時に、自分が今まで頑張ってきたこととか、タイで学んだ世界の人と関わる嬉しさとか、本格的に音楽をやってきた故の真面目さとかを全部取り入れてアイドルをやってみたいなって思いました。もう6~7年目になりますね。
“ジャパニーズアイドル”を世界へ
末永香乃:日本のジャパニーズアイドルって、世界的に見てまだまだ注目されていない部分があると思うんですよ。K-POPとかは世界的に有名じゃないですか?それに比べてジャパニーズアイドルってまだコアなジャンルだから、K-POPくらい注目してもらえるジャンルに育って欲しくて。それにはまだまだ足りない部分が見えているので、自分がもっと先陣を切って小さい子から親御さん、高齢の方々まで好意的に受け入れてもらえるものになっていったら嬉しいなって思います。
作詞を始めたきっかけは
――作詞をするようになったきっかけは何ですか?
末永香乃:事務所で誰も使わない曲があって、それに詩を付けてみたのが最初ですね。今回披露した『春恋♡プロローグ』という曲は、『これに詩とかつけてみる?』っていう感じで曲のデモをいただいて、それに詩を付けたのが初めての作詞です。
末永香乃:それが今や台湾の月宵◇クレシェンテの中で一番人気の曲になっています。デモの段階では使わないはずだった曲に、私が色を付けたことで沢山の人に知ってもらえるようになったことが嬉しいですね。ラーメンで言えば美味しく調理されたって感じです(笑)。
作詞のこだわりはキャッチーさ
――作詞でこだわっているのはどんなことですか?
末永香乃:耳から入ってきた時のキャッチーさをすごく気を付けています。海外のライブ会場って音響担当の方と上手くコミュニケーションを取れないこともあるし、私の作詞した曲はタイとか台湾とか、自分の目の届かないところで歌われることもあるんです。だから、初見の方でも何となくこんなことを言っているな、ってなるように気を付けています。
――海外で歌われることもかなり意識された作詞なんですね。
末永香乃:『Shu★parklinG!!×Ⅱ』もそうなんですけど、パ行ってすごく印象に残りやすいんですよ。それは結構意識して使っていますね。あと、歌詞の意味は分からなくても良いと思っていて。ライブ会場で一回聞いただけで意味が分かる人なんてあまりいないじゃないですか。そんな中で、『好き』とか『愛してる』とか、分かりやすくて直接的なメッセージはちょっと拍を多めに使えるゆっくりしたところで言うようにしています。逆に速く流れていくところは物語の一部だと思って詩を付けていますね。私の作詞は結構ストーリー性があって、1曲が始まってから終わるまでに物語が完結するように作っているものが多いです。それは振付にも結構反映されていますね。
――作詞はどうやって勉強されましたか?
末永香乃:私は作詞の勉強は全くしたことがなくて。でも『誰かに伝えたい』っていう意識が一番大事なことだと思うので、元々勉強していた音楽の知識と合わせて自分の中で研究しながらやっていますね。
グループのことは念入りにリサーチ
――作詞に対する周囲の方からの反応はいかがですか?
末永香乃:私は作詞をするときにそのグループのこともよくリサーチしてから作っていて、歌のパート分けとかもさせていただいているんです。だから実際にその曲を歌うメンバーからは『私たちのことを良くわかっていますね!』って言ってもらうことがあります。作詞の時、一番はファンや世間の方にそのグループの魅力が届いて欲しいと思いながら書いています。あとは時代や様々な背景に合わせた曲が人々に響くと思っているので、それも意識していますね。例えばグループが新しくなるとか新メンバーが入ってフレッシュな状態になるって言うんだったら、それも頭に入れつつ考えます。
――なるほど、グループに対するリサーチは重要ですね。
末永香乃:メンバーさん自身も、気持ちを込めて自分の言葉として歌うじゃないですか。だから結構リサーチしています。あと私は普段から結構メンバーのことを見ているタイプなので、その影響も大きいですね。私は詩と一緒に解説とかもメンバーに送るんですけど、海外のメンバーからも『こういう意味なんだ!頑張って歌います。』っていうメッセージが来ることもあります。これは励みになりますね。
作詞はどこでも出来るタイプ
――先ほど作業でスタバを良く使うという話がありましたが、作詞作曲もそこでされていますか?
末永香乃:そうですね。私は結構どこでも作詞出来るタイプです。今は、タイのアイドルStellagrima*さんが歌っている『Shu★parklinG!!×Ⅱ』とか、月宵◇クレシェンテが歌っている『春恋♡プロローグ』、『Not a full moon』とか、これから輝星★ Cosμ’n.がお披露目する曲とか、本当に色々な曲の作詞をさせていただいているんですけど、スタバは本当に頭が回るのでよく使います。
2022年のタイでのソロステージについて
――2022年はソロでタイのライブステージに何度か登場していますが、それはタイでの活動を見据えたものだったのでしょうか?
末永香乃:色々な人に『今タイで活動した方が良い!』って言ったのは私なんです。コロナ禍が明けてからどんどん活気を取り戻しているじゃないですか。私が昨年行ったときはまだちょっとコロナ禍かなって感じだったんですけど、状況的には渡航できるようになっていたので『今が行きどきだ。他の人が来る前に行くんだ!』と思って(笑)。
――タイに来るのは久しぶりでしたか?
末永香乃:最初にソロでタイに来たときは中学生以来でした。日本に帰ってからタイに行きたいってずっと思っていたんですけど、アイドルをすぐに始めちゃったものだから来られなくて。トイプラの台湾の支部は元々あったので、タイの支部があっても面白いんじゃない?って皆に言いまくっていました。
――以前ソロでタイに来られた際には、Siam☆Dreamのメンバーだったアイドルのアイスさんとコラボされていますよね。(タイのアイドルグループSiam☆Dreamは2023年3月に解散)
末永香乃:そう、日本にいる頃から、ずっとアイスちゃんが好きだったんですよ。タイのアイドルってこんなに可愛いんだ!ってずっと憧れていて。『会いに行きたい気持ちとかアイドルやタイに対しての思いは、きっと誰かの心を動かすきっかけになると思うから頑張ります。』ってがむしゃらに提案していました。
――ご自身で提案されていたのですね。タイにグループを作ることが最初から決まっていて、曲を浸透させるためにソロでタイのステージに立っているのかと思っていました。
末永香乃:それは途中からですね。ソロでステージに立っていた時は全然そんな話は無くて、『タイで新しいグループいいんじゃないですか?』って言い始めたのは途中からなんです。以前に綺星★フィオレナードのメンバーとしてソロでステージに立った時は、『La mia adolescenza. 』とかタイであまり披露されたことの無い曲をやったんですけど、ファンの方が事前に動画を見てコールとか振りとかを覚えてくれていて。それで大盛り上がりでした(笑)。その様子を見たスタッフさんが動かされてくれて、 Stellagrima*さん誕生のきっかけにもなれたみたいです。曲の力も勿論ありますけど、自分の愛が影響したんじゃないかなって思います。
――実際、Stellagrima*がデビューした時、末永さんや綺星★フィオレナードの皆さんが歌っていた曲だったので最初から盛り上がりが違いましたね。
末永香乃:そうなんですよ!私がソロで歌った曲も、特に海外の方が分かりやすくて参加しやすいものをセットリストに選びました。今Stellagrima*と当時の私のセットリストが同じなのは、意図が一緒だったからってだけなんです。私が前もって Stellagrima*の曲を広めるためにあの曲を選んだっていうわけではないんですよ。
輝星★Cosμ’n.の新メンバーにアイス
――輝星★Cosμ’n.の新メンバーとして、アイスさんの加入が決まったとお聞きしました。
末永香乃:Siam☆Dreamの解散が8割方決まっていた時、本人たちの中では100%決まってたのかな?ただアイドルもすぐに解散っていうわけにもいかないので…。その時アイスも『オフィスウーマンになろうかな。』とか言っていて(笑)。それを聞いて私は『いやいやいやいや!!』って止めたんですよ。もったいないと思って。
――SNSの総フォロアー数が200万人もいて、それはもったいないです!
末永香乃:そう。だから『もし本当に解散しちゃうんだったら一緒にやろうよ。』って言ったんです。アイスと私はアイドルへの向き合い方がすごく似ていて、一緒にコラボステージもやった時にすごく意気統合していたし。アイスが日本に1週間来て、私の家に泊まったこともあるんですよ。その時に一緒にディズニーも行きました。夜もずっと話が尽きなくて『ここはこうしたいよね』とか『ああいう文化はこうしていきたいよね』とか、二人で語り合って夜を明かしていました。それで寝不足になってディズニー遅刻しそうになった(笑)。その時のことはYoutubeに上がっています。
末永香乃:言葉が完璧に通じるわけじゃないのに話が尽きないんですよ。私のタイ語のレベルとアイスの日本語のレベルは同じくらいなので、タイ語と日本語と英語をミックスしてコミュニケーションを取るんです。それでも話が尽きないくらい気持ちが通じる部分や価値観が共通するところがあったので、いつしか一緒に活動することになっていましたね。私にとってあこがれの存在だったアイスちゃんと絆が深まりました。
――言葉の壁があっても話が尽きないのは素敵です。
末永香乃:その頃はまだSiam☆Dreamの解散も全然決まっていなかったんですけど、『もし進路とかで悩むことがあったらいつか一緒にやろう!』って言っていました。そうしたらすぐに実現したっていう感じです。アイスは全部自分で把握してきっちり仕事をこなす子なんですよ。輝星★Cosμ’n.に入ることが決まってから、言葉が通じなくて不安だろうに一瞬もそんな様子を見せないんです。ちゃんときっちり確認の連絡が来るので、私もそれにちゃんと答えられるように頑張っています。
目標はビルボード!?
――今後の目標は何ですか?
末永香乃:私は日本の可愛いアイドル文化を、アニメが世界で流行っているのと同じくらいの熱量で広めていきたいんです。世界で言われる“Anime”と同じくらいの存在になって欲しいですね。そのために、パフォーマンスをする側として自分が可愛いと思うものにもっともっとこだわりを持って伝えていきたいです。
―― 具体的にどんな部分にこだわりたいですか?
末永香乃:誰でも出来るダンスも勿論いいと思うんですけど、私にしか出来ないこととかをやりたいですね。今振付をしてくださっているのが劇団四季の先生なんですけど、劇団四季みたいにパフォーマンスでお金を貰っている方の生き方ってすごく勉強になるんですよ。そういう人を目の当たりにするとやっぱりアイドルはパフォーマンスのクオリティ維持とか足りない部分がちょっとあると思います。
―― 身近にそういった存在がいると良い刺激を受けそうです。
末永香乃:そう、見た目の簡単さとかじゃなくて、中身。自分が価値があるとダンスや歌にどれくらいの熱量や時間を割いてステージに持って行けるかが大事だと思うし、それが業界の発展にも繋がると思うんです。K-POPアイドルのレッスンスケジュールってハードで『だからこんなに上手いんだ!』ってなるじゃないですか。まだ日本のアイドルにはそこが足りないなと思っています。
――確かにK-POPとてもハードだというイメージがあります。
末永香乃:勿論K-POPアイドルと同じようなダンスをするわけではなくて、” ジャパニーズ可愛い”のダンスってあるじゃないですか。それをもっともっと時間をかけて究めていかないと、世界には認められないんじゃないかなって思っています。だから自分がとにかく頑張って、レベルアップを諦めないようにしたいですね。背中を見せられるくらい。
――お手本のような存在になれるよう、応援しています。
末永香乃:はい、お手本になれるよう頑張ります!あとはアイドルに携わっている色々な業界の人にも、アイドル文化をもっと盛り上げるための働きかけをしたいです。それと、『日本でファンの人が待ってくれている。』っていう表現をするアイドルも多いと思うんですけど、日本と同じように各国で待ってくれている人が沢山いると思うんです。だから私は実際に足を運んで行動で感謝の気持ちを示していきたいなって思います。これから沢山の人との出会いもあると思いますし、こうやってタイで沢山の人に出会えたことも自信になっていくと思うんです。今後も色々な地で縁を紡いで、いつかはビルボードに載っちゃいます!!!(笑)。
――ビルボードが最終的な目標ですか?
末永香乃:はい!自分が納得するのはそれくらいかな?多分そのころにはまた新しい目標が出来て、納得してなさそうだけど(笑)。とにかく、『日本のアイドルってすごいよ!アニメだけじゃないよ!』って伝えたいですね。そのためにまずは自分の中にあるちっちゃな『ああしたい!こうしたい!』って思うことを叶えていきたいです。そこからステップアップしていけたらなと思います。
――これからも応援しています。ありがとうございました!
末永香乃:ありがとうございました!
<インタビュー・一部撮影・記事作成 児玉瑞歩(タマサート大学ジャーナリズム&マスコミュニケーション学部) 実務研修>
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