04.21
機内で子どもが散らかしたポップコーン、CAと親のどちらが片付けるべき?現役CAに聞いた
「妊娠中の妻が、機内で子どもの散らかしたポップコーンを片付けさせられた」
大リーグのトロント・ブルージェイズのアンソニー・バス投手の投稿がさまざまな議論を呼んでいる。
バス選手は4月16日、「5歳と2歳の子どもたちと旅行していた妊娠22週の妻に、(ユナイテッド航空の)客室乗務員が娘が散らかしたポップコーンを片付けるように言いました。本気ですか!?!」と投稿。
写真には、子どもたちと飛行機の床にポップコーンが散らばる様子が映っていた。
The flight attendant @united just made my 22 week pregnant wife traveling with a 5 year old and 2 year old get on her hands and knees to pick up the popcorn mess by my youngest daughter. Are you kidding me?!?! pic.twitter.com/vLYyLyJC54
— Anthony Bass (@AnthonyBass52) April 16, 2023
この投稿に対し「機内で子どもの後始末をすべきなのは誰なのか」という議論が起きた。
バス選手の投稿に、一人が「あなたの2歳の子が散らかしたものを誰が片付けるべきなのでしょうか。とても興味があります。私は3人の子の親なのですが、自分が責任を持って片付けています」と返信。するとバス選手は「彼らが雇っている清掃員がやるべきだ!」と答えた。
バス投手の妻の姉は、カントリーシンガーのジェシー・ジェームズ・デッカー氏だ。
ピープルによると、デッカー氏は妹が今回の経験で「屈辱的な思いをして、ポップコーンを拾いながら通路で泣いた」とInstagramストーリーに投稿した。
さらに、デッカー氏は「客室乗務員は、ポップコーンが通路に散らかっていて、安全上の問題が生じると考えた」とも説明した。
一方、バス投手は17日に「この客室乗務員の問題について、ユナイテッド航空が社内で処理しています」と投稿。
これがさらに議論の輪を広げ、元客室乗務員の一人は「客室乗務員の仕事は安全を確保することで、あなたの子どもの後片付けのためにいるのではありません」とツイートした。
他にも「お金持ちだからといって、すべての人があなたの召使ではありません」「自分の子どもが散らかしたものをあなたの妻に片付けるよう頼んだという理由で、客室乗務員を処分もしくさらに厳しい苦境に追い込むのですか?」などの声も投稿された。
客室乗務員が片付けるべき?
機内で子どもが散らかしたものは、誰が片付けるべきなのか。ハフポストUS版は、2人の現役客室乗務員に聞いた。
客室乗務員の最大の仕事は、乗客を安全に目的地まで運ぶことだ。しかし快適なフライトのために、それ以外にもやるべき業務がある。
国内線で勤務している客室乗務員の一人は「客室乗務員の業務には、搭乗前や搭乗時の安全や機器の点検や、乗客の出迎え、そしてフライト中の安全維持や軽食や飲み物の提供、さらに降機作業とその後の清掃などが含まれます」と説明した。
ただし、仕事の一部に機内清掃が含まれているから散らかしてもいい、というわけではない。
例えば、あなたはファストカジュアルレストランに行った時、テーブルにゴミを残すだろうか、もしくは次の人のために片付けるだろうか。
多くの人々は「公共の場では、散らかしたものは自分で掃除するべき」と考えているかもしれない。しかし子ども連れの飛行機では、そう簡単にいかないのが現実だ。
客室乗務員は「多くの親たちは、子ども用のクラッカーを持参するため、汚れます」「機内には、踏みつけられたクラッカーのクズやこぼれたジュースやミルクが残されます。シートポケットに使用済みおむつが入っている時もあります」と説明する。
また、LCCで働く別の客室乗務員は、散らかしたことを知らせてくれないと、特に通路では危険が生じる場合があると話す。
「ある親御さんが搭乗時に粉ミルクをこぼしたことがあったのですが、知らせてくれなかったため、フライト前の安全チェック中に通路で発見しました」
この客室乗務員は「クラッカーくずを全部拾ってほしいということではない。そのために、到着した後の清掃クルーがいる」とも話す。
その一方で「ゴミを減らすために協力してくれるととても助かる」と強調する。
「必要であればゴミ用のカップをお渡しできるので、それに入れて、客室乗務員がゴミ袋を持って回ってきた時に渡してもらえるとありがたいです」
また、多くの人が大量の散らかったものを残していく一方で、クラッカーのクズを丁寧を拾ったり、座席ポケットを掃除したりする親たちもいて、とても助かるとも述べた。
「クラッカー1つやクレヨン1本が残ることはあるでしょう。それは私たちもよく理解できます。私たちは親の皆さんに、すべての乗客にとって安全で清潔で快適な環境を保つためできる範囲で協力していただくようお願いしています」
Source: HuffPost