04.17
<北朝鮮内部>事実婚や同棲の処罰を強化 公開裁判にかけ強制労働刑まで 「非社会主義的行為だ」と糾弾 そこまでやるか…
◆離婚手続き中の同居や交際で公開裁判にかけられる
北朝鮮は離婚が難しい。申し立てても当局がなかなか認めないのだ。不和になった夫婦は離婚成立前に別居するケースが多いが、成立前に別の男女と付き合ったり、同居したりすることは珍しくなかった。だが、当局はこれも社会主義の秩序を乱すものとして処罰し始めた。見せしめ的に公開裁判にかけられるケースが相次いでいるという。
北部の恵山(ヘサン)市に住む別の協力者の女性Bさんは、周囲で起こった事例を次のように伝える。
「私の周辺にも、引っかかって調査を受けている人が少なくありません。特に一人暮らしの女性が処罰を受けることが多い。公開裁判にまでかけられて『労働鍛錬隊』や無報酬労働の罰を科されています。
恵山市で3月中旬に、離婚手続き中の状態で別の女性と同居していた男性が申告されて安全局(警察)に連れて行かれ、たった3日の調査で6カ月の労働鍛錬刑になった。『重婚』とみなされたのです」
※「労働鍛錬隊」とは、社会秩序を乱したり軽微な罪を犯したりした者を、司法手続きなしで収容して1年以下の強制労働に就かせる「短期強制労働キャンプ」のこと。安全局(警察)が管理する。
◆コロナ防疫規則違反を理由に男女交際に干渉
新型コロナウイルスの防疫規則違反を理由に、恋愛や同棲を処罰する事例もあるという。
北朝鮮では現在も、コロナ感染拡大を予防するとして、他の郡、市との移動が強く制限されている。他地域に住むパートナーの家に出入りしたり、同居したりする場合は、防疫規則違反で処罰しているという。
「恵山市の渭淵(ウィヨン)洞では離婚手続き中の女性の家で同居生活を始めた男女の両方が、防疫規則を破ったとして取り調べを受けました。最近のことです。男性にも家庭があって離婚手続きがうまくいっておらず、(法的には)まだ夫と妻がいる状態なので、重婚罪だとして、2人は鍛錬隊に3カ月間に行くことになるそうです」(Bさん)
経済的な援助を受けて既婚男性と付き合う女性も珍しくないが、当局はそれを「社会主義にあるまじき妾行為」とみなして、取締りの対象にしている。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。
Source: アジアプレス・ネットワーク
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