2023
01.20

8年ぶりのセックスは、私を過去から解放し、未来へ導いてくれた

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ついに、やったーー。

8年ぶりのセックスは、ニューヨーク州道25号線沿いのホテルでだった。

共に50代のスティーブンと私は、まるで10代の時のように「部屋をとった」。若い頃は、親に見つかることを心配していたのに、今は10代の子どもたちに見つからないよう気をつけている。

3人の独身女性たちと一緒にプリスクールサービスで働いていた私は、園児たちの昼寝時間に、スティーブンと近々行く「お泊まりデート」について彼女たちと話をした。

私はこの8年間セックスをしていない。最初の夫が通勤途中の交通事故で亡くなってからだ。

そしてついに、マッチングサイトで知り合ったスティーブンと、その長い空白期間に終止符を打とうとしていた。

70代の未亡人である同僚のグラディスさんは、メイクやベッドでの服装について細かなアドバイスをくれ、「レースの威力を侮っちゃダメ」と強調した。

その夜私はショッピングモールに行き、黒のレースに赤のサテン、白いネグリジェなど全て試着したが、そうしたセクシーなスタイルは私には似合わなかった。結局、私はフランネル生地で膝丈のナイトガウンを選んだ。

スティーブンのマッチングアプリのプロフィールには、最近カイロプラクティックから教師に転職したこと、3人の愛する子供がいることが書かれていた。写真ではグレイがかった髪に暖かな目、そして寛大な笑顔が魅力的で、勇気を出して連絡してみようと思い、彼にメールを送った。

「こんにちは。あなたのプロフィールに興味を持ちました。話しませんか?」

そして電話番号を送り、あとはスティーブンに委ねた。

すると、彼から電話があった。

私たちは一緒にコメディ・クラブやレストラン、ハイキングに行って楽しんだ。林道の急な坂道で鼻水が出た私に、彼はお気に入りのチェック柄のシャツの袖を差し出して「鼻かんで」と言ってくれた。それが「愛」だったのかもしれない。

著者(右)とスティーブンさん(左)著者(右)とスティーブンさん(左)

3カ月のデートの後、私はついに、ホテルに行くことに同意した。彼には素晴らしいところがたくさんあるけど、特に忍耐強かった。これまで森や車内で何度もイチャついたけど、セックスまであと一歩のところで、なぜか私はいつも怖気付いてしまっていた。

夫が他界してからというもの、私は突然の喪失感という凍原から抜け出せなくなっていた。凍ったままでいれば、再び苦痛を感じることはなく安全だと自分に言い聞かせていたのだ。でも、それは嘘だった。安全は保証されないし、凍原は孤独だ。

スティーブンは私の日々に温もりを与えてくれた。そして私は完全に解凍される準備ができていた。

ワクワクするけど、不安もある。友人と「どうやるか覚えてるかな?」などと冗談を言い合った。

そしてついに、私はスティーブンとホテルの一室にいる。事前に、「部屋で落ち着いてから夕食を食べて…と予定を立てていたけど、私は別の提案をした。「今すぐやらない?」と。

彼は3カ月待っていて、私は8年も待っていた。これ以上待つ必要なんてなかった。

私が洗面所でナイトガウンに着替え部屋に入ると、彼は私を待っていた。モールでの買い物についての話をしたが、彼は私の服に興味はなかった。興味があったのは、服のその下だった。

セックスは速かったが優しく、「ラブリー」という言葉がピッタリだった。視界が開けたようでもあった。私の体は何をすべきか覚えていたみたい。忘れていたのは、それがどんなに楽しいかだけだった。

再びセックスをすることで、1番大きく感じたことはなんだろう?カップルが恋に落ちた時(落ちてなくても)にとる、ごく自然な次のステップであるセックス。私はもう子どもでもなく、長年にわたって愛を育んできた大人なのに、なぜこんなに長く待っていたのだろう?

夫とは、私が15歳の時に出会い付き合い始め、その後結婚した。彼は私の初めてのセックスの相手であり、スティーブンとの「お泊まりデート」までは、唯一の相手だった。29年一緒に過ごしたが、その間、どちらかが死んだらどうするかなんて話したことはなかったーー。夫が死ぬまでは。

これまでセックスをしなかったのは、初恋の人への忠誠心のためだったのだろうか?スティーブンと「あと一歩」のところで腰が引けたのは、再びセックスすることを「事故」と混同して恐れていたのだろうか?

私はスティーブンを愛していた。最初の3カ月間も、残りの人生を一緒に過ごす想像さえ描いていた。でも彼を受け入れることは、最初に愛し8年前に悲劇的に去った元夫を手放し、再び生きる選択をすることだった。

トラウマは過去や恐怖、果てしない悲しみにあなたを縛りつける。でも8年経って、私は愛する男性と出会い、縛りを解くことができた。元夫を手放し、スティーブンを迎え入れたのだ。

そして時は過ぎ、スティーブンと私は最近、8回目の結婚記念日を迎えた。そして私たちはフロリダに引っ越した。暖かい気候と太陽がとても好きになった。凍原とは永遠におさらばできそうだ。

※このエッセイに登場する人物のプライバシーを守るため、名前と特徴を一部変更しています。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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Source: HuffPost