01.13
黒人男性がロサンゼルス警察にテーザー銃で攻撃され死亡。いとこはBLM運動の創設者だった
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで、英語教師で黒人のキーナン・アンダーソンさんが警察にテーザー銃で攻撃され、その後死亡した。
アンダーソンさんは、警察などによる黒人に対する暴力や差別に抗議する「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動の共同創設者の一人、パトリス・カラーズさんのいとこだ。
アンダーソンさんは、警察に地面に押さえつけられながら「彼らは私をジョージ・フロイドのようにしようとしている」と訴えていた。
「ジョージ・フロイドのようにしようとしている」と訴える
事件が発生したのは1月3日で、ロサンゼルス警察が10日に警察官のボディカメラ映像を公開した。
映像には、交通事故の通報を受けて現場に到着した警察官に、パニック状態のアンダーソンさんが助けを求める姿が映っている。
警察官はアンダーソンさんに説明を求めつつ、動かないよう指示。アンダーソンさんは最初は要求に応じて座っていたが、その後立ち上がり、車道に向かって走り出した。
警察官はアンダーソンさんを追いかけてうつ伏せになるよう求め、その後複数の警察官がアンダーソンさんを地面に押さえつけた。
アンダーソンさんは「やめてください」「どうか助けてください」と懇願している。
さらに、複数の警察官に押さえつけられながら「彼らは私を殺そうとしている」「ジョージ・フロイドのようにしようとしている!」と叫んだ。
ジョージ・フロイドさんは2020年5月に、ミネソタ州ミネアポリスで警察官に首を押さえつけられた後に死亡した黒人男性だ。
ボディカメラの映像では、警察官の一人がアンダーソンさんの首を押さえているように見える。
さらに、別の警察官が「抵抗するのをやめないならテーザーを使う」と警告し、その後30秒以上にわたりテーザー銃でアンダーソンさんを攻撃した。
警察によると、アンダーソンさんはその後、救急隊によって病院に搬送された。搬送前の映像では、手錠をかけられたアンダーソンさんがぐったりしている様子が映っている。
アンダーソンさんはその後病院で心肺停止状態になり、テーザー銃で攻撃されてから4時間半後に死亡した。
助けを求めたのに殺された
警察は、検査の結果アンダーソンさんの血液からコカイン代謝物とカンナビノイドが検出されたと発表した。
さらに、11日に記者会見したマイケル・ムーア警察署長は、アンダーソンさんが「事故現場から逃走しようとしていた」と説明した。
しかし、カラーズさんは「私のいとこは助けを求めていたのに、助けてもらえず、殺された」とガーディアンに反論している。
さらにワシントンポストに対し「彼は『ジョージ・フロイドのようにしようとしている!』と叫びました。警察はその通りにしたのです」とコメントした。
「映像にはっきりと映っています。彼は怯え、助けを求めていました。彼は助けて欲しいと訴えていました。しかし1月3日、彼は助けてもらえませんでした」
ワシントンポストによると、アンダーさんはワシントンD.C.にある学校で、10年生(日本の高校生に相当)の英語教師として働いており、家族や友人に会うためにロサンゼルスを訪れていた。
2023年になってから、アンダーソンさんの他にもすでに2人がロサンゼルス警察によって死亡しており、全員が非白人の男性だ。
ロサンゼルスのカレン・バス市長は3人の死に対して深刻な懸念を表明しており、透明性のある捜査の実施と緊急の対策を声明で求めた。
警察は今後捜査を進めるとしている一方で、カラーズさんや人権活動家などは、警察署長の辞任を求めている。
Source: HuffPost