2023
01.12

日鉄エンジニアリング、サイアム・セメント・グループとのCO2分離回収・利用に向けた協業について

国際ニュースまとめ

日鉄エンジニアリング株式会社(代表取締役社長:石倭 行人、本社:東京都品川区、以下「当社」)は、タイセメント最大手のSCG CEMENT CO., LTD.およびTHE SIAM CEMENT (KAENG KHOI) CO., LTD.(以下、「SCG」)と、タイ国及び東南アジア周辺国のセメント工場排ガスからのCO2分離回収・利用技術(以下、「CCU」)の導入に向けた協業※1について合意し、覚書を締結いたしました。

<プレスリリース>

タイのセメント産業は、年間3,000万トンの温室効果ガスを排出しており、その削減が喫緊の課題となっています。本協業では、SCGが保有するセメント工場に、当社が開発した省エネ型CO2回収技術ESCAP®※2を導入し、排ガスから分離回収したCO2からメタネーション装置で合成メタンを製造し、セメント工場内で石炭燃料の代替エネルギーとして利用するCCUモデルを想定しており、当社とSCGは、このCCUの適合性・普及可能性の調査及びビジネスモデルの検討※3について連携して取り組みます。

当社は、タイのセメント産業でESCAP®によるCO2分離回収技術の有効性の実証とCCUビジネスモデルの検証を進め、国内外でのCCU普及につなげることで持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

※1 本協業は、当社、Thai Nippon Steel Engineering & Construction Co., Ltd.とSCG Cement-Building Materials Co., Ltd.及びThe Siam Cement (Kaeng Khoi) Co., Ltd. の4社で覚書を締結し、実施するものです。
※2 ESCAP®は、製鉄所や発電所、各種工場で発生する排ガス等、不純物の多い原料ガスから食品用途を含む高純度のCO2を製造することが可能です。CCU及びCCSの目的に幅広く適用が可能で、国内で2件の商業機の実績があります。
>省エネ型二酸化炭素回収設備(ESCAP®):https://www.eng.nipponsteel.com/business/environment_and_energy_solution/energy_solutions/escap/escap/
※3 セメントキルンの排ガスから分離回収したCO2を、水電解装置で製造した水素とメタネーション装置で反応させカーボンニュートラルな合成メタンを製造し、セメント工場内で石炭燃料の代替エネルギーとして利用します。また、メタネーション装置の廃熱は、ESCAP®で使用する熱エネルギーとして利用するCCUモデルの検証を行います。
当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の2022年度「エネルギー消費の効率化に資する我が国技術の国際実証事業(実証要件適合性等調査)」の第2回公募において、「タイ王国及び東南アジア周辺国におけるCCUS技術の社会実装を実現するためのセメント工場排ガスからのCO2分離回収・利用実証研究(タイ王国及び東南アジア周辺国)/実証要件適合性等調査」として採択を受けており、本協定は、CO2分離回収・利用に関する実証研究の可能性を模索することを目的としたものです。
>2022年度「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業(実証要件適合性等調査)」第2回公募に係る実施体制の決定について:https://www.nedo.go.jp/koubo/AT093_100199.html

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