06.29
【韓流】 ジャパニズムを越える韓流~もううらやむ必要はない
19世紀末、フランスは世界美術の中心だった。そこでは多様な近代美術運動が起きた。画家は既存美術を脱して新しいものを探そうとありったけの力をふりしぼった。その時、発見したのが日本の浮世絵(庶民生活を入れた風俗画)だ。浮世絵は派手な色彩と単純な構成、立体感のない平面性などが特徴だ。
これが伝統美術の枠組みから抜け出す糸口を与えた。当時の画家で日本美術の影響を受けなかった人を探すのが難しいほどだ。
(中略:モネ、ゴッホ、マネ、ゴーギャン、プッチーニなどの芸術を紹介)
彼らにとって東洋は神秘の対象で日本文化にはまる他なかった。フランスの美術批評家フィリップ・ビュルティはこのような日本文化の大流行を「ジャポニズム(Japonism)」と定義した。
歳月が流れた。隔世の感だ。韓流が150年前のヨーロッパをひきつけたジャポニズムを見下ろしている。ドラマを中心に韓流の風が始まって大衆音楽、映画などに拡散中だ。テレビを通じてヨーロッパ・南米などで防弾少年団の歌を韓国語で歌う現地人の姿も今はそれほど珍しくはない。
韓流熱風は映画「ミナリ」で再確認された。韓国俳優ユン・ヨジョンがアカデミー助演女優賞を受けた。昨年、韓国映画で初めてアカデミーで4部門を席巻した「パラサイト」に続く快挙だ。防弾少年団も新たな記録を立てた。新曲「バター」が米国ビルボード・シングル チャートで4週連続1位を占めて自身の記録を越えた。
美術も同じだ。世界の美術愛好家が韓国の単色画に熱狂する。朴栖甫(パク・ソボ)、鄭相和(チョン・サンファ)など単色画家の作品が世界的な競売で高く売れる。韓国現代美術の一思潮である単色画はわずか10年前だけでも西洋モノクロームの亜流という認識が強かった。しかし、もはや世界のアートフェアで誰でも『Dansaekhwa(単色画)』と呼ぶ固有名詞になった。
朝鮮白磁である「月壷」も世界の人々を魅了した。ビル・ゲイツ財団がチェ・ヨンウク氏の月壷の絵を3点も購入したことは有名だ。
▲チェ・ヨンウク画家の月壺作品「カルマ(Karma)」(別ソース:中央日報2011.02.15)
昨年はオーストラリア、ビクトリア国立美術館が展示のために18世紀の月壷を購入し、文化財庁が永久搬出を許可した。私たちの文化に対する自負心を感じさせるほほえましいことだ。
韓国国際交流財団が出した「2020地球村韓流現況」によれば全世界の韓流ファン人口は1億人を越える。韓流はジャポニズムとは違う。先にヨーロッパを越えて全世界で流行する。ジャポニズムは未知の土地に対する神秘感から始まったが、韓流は優秀なコンテンツを土台にすることでも差別化される。
ふと思う。もし1800年代、日本ではなく朝鮮の絵が西洋に先に伝えられたとすればどうなっただろうか。ジャポニズムに対するうらやましさから脱して私たちの文化にかける期待が大きくなる。
ソース:嶺南日報(韓国語)[月曜コラム]ジャポニズム跳び越える韓流がある
https://www.yeongnam.com/web/view.php?key=20210624010003057
Source:脱亜論
【韓流】 ジャパニズムを越える韓流~もううらやむ必要はない