2022
12.10
12.10
<ミャンマー>久保田さん拘束事件の真相(1) 「逃げたら撃たれる!」 2人組が頭に銃を突き付けた…逮捕の瞬間
◆ミャンマーの暴力の現場「見えづらい」
久保田さんは帰国後、「ヤンゴンに到着して、街の様子があまり前と変わっていないと感じた。しかしそれ仮初の姿にすぎないとすぐにわかった」と話している。
彼は現地で暮らす人々にインタビューし、涙を流すまでの想いをしてヤンゴンに滞在し続ける人間の話を聞く。フェイスブックに投稿しただけで投獄された市民にも出会った。しかし、それに対して街が平穏であることに違和感を覚えた。「暴力や不自由が見えづらい」と久保田さんは表現する。
久保田さんは取材を重ねるうち、ミャンマー人たちが感じている恐怖感や不自由さが現れている現場を取材する必要があるという思いを強めていった。それが、厳しい弾圧によりもはや短時間しか行うことができなくなったデモの現場だった。彼はフェイスブックの匿名のアカウントからたぐっていき、30日にデモが行われるという情報を入手する。
久保田さんはデモを取材したことを「判断が甘かった。ミャンマーに取材に行ったことも、観光ビザで入国したことも間違いではないが、デモ現場に行ったことは間違いだった」と述べている。
計画段階でリスク回避のためのルールを決めて、それを徹底するべきだったと振り返っている。また、デモが終わったなら、走って現場から離れるべきだったとも語っている。なお、久保田さんは、デモの予定が当局に漏れていた可能性を指摘しているが、この点については確認のすべがない。
次回は、久保田さんが数日間滞在した警察署での出来事について解説したい。久保田さんの過去の作品が取調官の逆鱗に触れ、事態は急激に悪化していくことになる。(続く)
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Source: アジアプレス・ネットワーク
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