11.26
<北朝鮮緊急電話インタビュー>(2)率直に語った貧窮と金政権に望むこと 「ミサイルの話を聞くと本当に腹が立つ…人間らしく生きたいだけなのに」 医薬品なく老人が多数死亡
◆コロナは落ち着いたが…
――今、コロナの状態はどうですか? あなたの近隣でコロナにかかった人は何%ぐらいになりますか?
他の所のことはわかりません。
――人民班の基準で見ると。
うちの人民班では(コロナ)にかかっていない人はいませんね。最初はそれがコロナなのかわかりませんでした。ただ喉と頭が痛かったのですが、それがコロナだったんです。皆かかりました。
※地方都市ではPCR検査をほとんどしておらず正確なコロナ陽性判定はできていないと思われる。
――コロナや栄養不足や病気で、この3年間でどれくらいの人が死亡したと思いますか?
1つの人民班で普通2人から5人くらいが死んだと思います。うちの町内では年寄りは大体死にました。周りの人民班でも聞いてみたけれど、平均して1つの人民班で2~3人は死んだようです。
――今もコロナ防疫のために都市を封鎖したり、保健機関で取り締まりをしたりしていますか?
今は以前と随分変わりました。家で3日間くらい隔離せよと言われます。中国製の解熱剤を2日分くれてそれだけです。今も会議では無条件にマスクを着けろと言われます。
※人民班は最末端の行政組織で、概ね20~30世帯程で構成。町役場に相当する洞事務所からの指示を伝達し、住民の動向を細部まで把握して当局に報告する役割を担っている。
◆ワクチンも2回接種
――ワクチンは何回接種しましたか?
9月初旬に1回打ち、10月初めにも1回打ちました。しかしコロナ予防注射だとは知らされませんでした。インフルエンザの注射だと思って打ったんです。
――他の地域でも打ちましたか? 国境地域だけでしょうか?
他の地域はまだ打っていないそうですが、よく分かりません。
◆世界に知ってほしいこととは
――北朝鮮の人間として国際社会に伝えたいことはありますか? 率直なところを話してください。
そうですね…。話したからといって実現できるのか分かりませんが、私たちは、ただ人間らしく生きたいだけなのです。多くの人たちは、ご飯さえ食べられればいい暮らしだと思っています。
薬がなくて治療も受けられずに死んだ人も多いし、国境が封鎖されて食べていくこともできない。そんなことが多すぎて、今では(コロナなんて)たいしたことがないと考えています。
ここは統制が強すぎて、外を一歩歩くことすら怖いです。 今では、できないことが多すぎるし、してはならないことも多い。ただ見ろと言われるものだけを見て、話せと言われることだけを話す。ここの人たちは皆ロボットのようです。 ロボット。
――操り人形のようだ…。
はい。ただやれと言われたことだけをして、見ろと言われたものだけを(見ます)。批判なんて口にすることもできない。
――胸が痛いですね。
率直に言って、核やミサイルではなく、人々が生きていけるよう対策をしてくれればいいと思います。1日に1食しか食べられない人も多いのです。
だからミサイルの話を聞くと、私は本当に腹が立つ。うちの隣の家も1日2食です。そんな人たちに米を配ったらどれほどいいでしょうか。早く統一されるか、開放するかしてほしいです。(了)
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Source: アジアプレス・ネットワーク
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