11.16
レズビアン描く漫画『作りたい女と食べたい女』、“結婚の平等“の実現めざすチャリティ開始「#物語のままで終わらせない」
レズビアンの女性が主人公の漫画『作りたい女と食べたい女』(著:ゆざきさかおみ、発行:KADOKAWA)が、結婚の平等(通称・同性婚の法制化)の実現を目指すチャリティプロジェクト「#物語のままで終わらせない」を11月15日に始動させた。
このプロジェクトでは、オリジナルチャリティグッズを販売し、売上の一部を公益社団法人「Marriage For All Japan 結婚の自由をすべての人に」に寄付する。
日本では現在、30人以上の性的マイノリティが「結婚の平等」の権利実現を求め、国を訴える裁判「結婚の自由をすべての人に」が行われており、11月30日には、東京第1次訴訟の判決が東京地裁で言い渡される。
『作りたい女と食べたい女』の作者のゆざきさかおみさんはプロジェクト始動にあわせて、「たくさんのGL・BL作品、同性愛表象が存在するこの国で、同性婚が法制化されていないという事実がずっと不思議でなりませんでした」とコメント。「そんな現状を、物語を楽しむひとたちにも知ってほしい」とした上で、「その実現への一歩を、一緒に踏み出してみませんか」と呼びかけている。
女性同士や男性同士の恋愛を描くフィクション作品が多く発表されてきた日本で、それを「物語のままで終わらせない」──そんな思いを込めたプロジェクトに注目が集まっている。
「つくたべ」はどんな作品? NHKでドラマ化も
「つくたべ」の愛称で知られる『作りたい女と食べたい女』は、最新第3巻まで発売され、シリーズ累計35万部を誇る人気漫画。2022年には『このマンガがすごい!2022』(宝島社)オンナ編の第2位に選ばれた。
料理好きだが小食の「野本さん」と、そのお隣のお隣に住む食べることが大好きな「春日さん」が出会い、恋愛関係を築いていく。料理を通して、女性や性的マイノリティの人々が日常で直面する違和感や偏見、そして連帯する姿を描き、SNSなどで大きな反響のある作品だ。
NHKでドラマ化することも決定しており、野本さん役を比嘉愛未さん、春日さん役をオーディションで選ばれた西野恵未さんが務め、11月29日に「夜ドラ 」として放送がスタートする。
「同性愛を描く人間として、できることはないか」
「#物語のままで終わらせない」では、ゆざきさかおみさん描き下ろしの『作りたい女と食べたい女』オリジナルチャリティグッズを12月16日まで受注販売する。コーヒーセット、パンケーキセット、オムライスセットという3つのセットがあり、ステッカーやマグカップ、トートバッグが販売される。
このセットの売上から、制作費や諸経費を除いた金額が「公益社団法人Marriage For All Japan 結婚の自由をすべての人に」に寄付されるという。また、「#物語のままで終わらせない」というハッシュタグをつけて投稿することで、チャリティプロジェクトへの賛同となるといい、「同性婚法制化のために連帯を示しませんか?」と呼びかけている。
11月15日刊行の朝日新聞朝刊には、チャリティープロジェクト始動を記念した全15段広告が掲載されている。
作者のゆざきさかおみさんと、「Marriage For All Japan」は、チャリティープロジェクトにあわせ以下のコメントを寄せている。
▼著者・ゆざきさかおみさん
たくさんのGL・BL作品、同性愛表象が存在するこの国で、
同性婚が法制化されていないという事実がずっと不思議でなりませんでした。
フィクションのなかでは自由に描かれる一方で、
現実では性的マイノリティのひとたちの権利が制限されている。
そんな現状を、物語を楽しむひとたちにも知ってほしい。
同性愛を描く人間として、できることはないかと考え、
企画したのがこの『作りたい女と食べたい女』チャリティプロジェクトです。
好きなひととでもいい、自分ひとりでもいい。
誰もが望む未来を選択できる社会になってほしい。
その実現への一歩を、一緒に踏み出してみませんか。
▼公益社団法人「Marriage For All Japan 結婚の自由をすべての人に」
自分と相手の性別によって結婚が制限されない社会。
性別にかかわらず、結婚を選べる社会。
それは、日本では夢物語と思われてきたかもしれません。
婚姻の平等(同性婚の法制化)は、日本でもきっと実現します。
けれど、ただ待っているだけでは、その日はなかなかやってきません。
私たちマリフォーは、SNS等で情報を発信したりイベントを開催したりするほか、国会議員の方々と面談したり、賛同する企業が増えるよう動いたりしてきました。
いただいたチャリティは、法制化賛同の輪を
日本全国にさらに広めるために使わせていただきます。
その日の一日も早い実現のために、みなさんと共に歩んでいければ幸いです。
Source: HuffPost