2022
10.28

<北朝鮮内部>再び医薬品枯渇で医療崩壊深刻 麻酔・点滴・消毒薬消えて死者発生 輸入増加なのになぜ?

国際ニュースまとめ

◆9月に大量輸入した薬はどこへ?

とはいえ、北朝鮮当局が医薬品の輸入を止めているわけではない。10月後半に公表された中国税関当局の貿易統計によれば、北朝鮮は抗生剤、インシュリン、ステロイド剤などの医薬品約430万ドル分を輸入している。また、マスク1000万枚超、体温計200万個も輸入している。10月後半になっても医薬品が地方都市で決定的に不足しているのは、首都平壌や特定の機関に優先的に供給されているためだろう。

5月にコロナ感染者の発生を認めた後、金正恩政権は医薬品の厳格統制に乗り出した。病院や薬局に供給された薬を横流し・密売した者は、死刑を含む厳罰に処すという社会安全省(警察)の布告を514日付で出した。北朝鮮情報専門の英字メディア「NKニュース」が、平壌で撮影された写真を入手し公開している。

咸鏡北道(ハムギョンプクド)の取材協力者B氏は、この布告が出た後の統制の厳しさについて、7月初旬に次のように報告していた。

「コロナが流行した時に平壌から大量の薬品が入ってきたが、病院と薬局、医薬品販売所以外での売買が厳禁され、かつて薬商売をしていた人の家に家宅捜索が入った。薬が見つかった場合はすべて没収の上で出所を厳しく追及した。それで薬品を横流ししていた幹部らが逮捕されて、党除名、解職、追放など厳しい処罰が下された。それ以降、薬は現金で正規の薬局などで買うしかなくなった。以前のように急患が出た場合に商売人からツケで買ったり、知り合いから安く購入したりすることもできなくなった。困っている人が大勢いる」

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

両江道地図 製作アジアプレス

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Source: アジアプレス・ネットワーク

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