2022
09.15
09.15
<イラク>ISの襲撃から8年 拉致、戦闘員にされたヤズディ青年 新たな人生
カナダ政府はISに拉致されたヤズディ教徒の受け入れを表明し、サイフさんは難民としてカナダへ渡った。カルガリーの高校では必死に勉強して、英語を習得。
たびたび悪夢に襲われ、呼吸ができなくなるストレス障害に苦しんだが、ヤズディ教徒の友人に支えられ克服することができた。昨年、地元大学への入学を果たし、化学を学ぶ。将来は医師になるのが夢だ。「いつか自分の経験を振り返り、本を書けたらと思っている」
◆自爆死させられたヤズディ少年も
一方で、IS戦闘員として自爆死させられた少年や、脱出できずに亡くなった女性たちがいる。断ち切られたたくさんの人生。それを思うと、胸が痛む。ISが去った1年後、私はコジョ村を取材した。無人となった村は、襲撃の日から時が止まったままで、いくつもの破壊された家屋が無残な姿をさらしていた。虐殺現場だった空き地には、人骨が散乱したままだった。
ヤズディ虐殺から8年。現地では今も発掘作業が続く。ヤズディ団体の統計によると、ISに拉致された住民は、男女合わせて6400人。うち、およそ2800人が現在も行方不明のままだ。
(※本稿は毎日新聞大阪版の連載「漆黒を照らす」2022年8月9日付記事に加筆したものです)
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【ヤズディ教】
ゾロアスター教の流れをくむといわれるが、イスラム教やキリスト教の影響も受けている。イラク、シリア、トルコなどにまたがる地域などに暮らす。イラク国内には最も多く、およそ60万人が暮らしてきた。クルド語を話す。フセイン政権下では迫害され、イラク戦争後はイスラム武装勢力から「邪教」として狙われてきた。ヤジディ教、エズディ教とも表記される。
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Source: アジアプレス・ネットワーク
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